果糖が空間記憶を弱める
「フルクトースは、ラットの学習能力には影響を与えませんでした。しかし、台を取り除くと、どこに台があったか思い出せなくなるようです。これらのラット群は通常の食餌を与えられた対照群よりランダムに泳ぎ回りました」とParent准教授。
フルクトースはグルコースなどほかの糖類と異なり、ほとんど肝臓のみによって消化され、その際大量のトリアシルグリセロールがつくられます。
トリアシルグリセロールは血流によって全身に運ばれる中性脂肪の一つで、脳で神経細胞の生存や可塑性、脳が新しい経験にもとづいて変化するために重要なインスリンの働きを阻害する可能性があります。
成体になる前の若いラットでも同じような結果が出ましたが、フルクトースの影響が永続的なものかどうかは明らかになっていないそうです。
人間がこの実験でラットに与えられたほどの高フルクトースの食生活を送ることはまずないと考えられますが、近年では甘味料としてフルクトースを含む食品の摂取量は着実に増えています。フルクトースの摂取過多はインスリン抵抗性・2型糖尿病・肥満・心血管疾患を含むさまざまな健康上の問題と結び付けられています。
「私たちはフルクトース源として1日1個のリンゴを食べるようにできているのですが、今では何にでもフルクトースが含まれています。節度をもって食べること、運動も重要です。」とParent准教授は語っています。
彼女の研究室では次のステップとして、運動によってフルクトースが記憶に与える影響を軽減することができるか研究する予定です。また魚油の摂取によりトリアシルグリセロールの増加を抑え、記憶障害を防ぐことができるかも調査中です。これらの研究結果は今秋シカゴで開催される神経科学学会で院生のEmily Bruggemanさんによって発表される予定とのことです。
果糖の取りすぎは肝臓に負担が大きいこともあるので、清涼飲料水や菓子の飲み過ぎ食べ過ぎにはくれぐれも注意したいところです。

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